「アジア・フォーカス」でヤスミン・アハマド「タレンタイム」

今年は1本も無理かなと思っていた「アジア・フォーカス」でしたが3本観ることができました。
「ゴーン・ショッピング」(シンガポール)、「テヘランの孤独」(イラン)、「タレンタイム」(マレーシア)の3本。その中で一番良かったのが「タレンタイム」です。

「アジア・フォーカス」でヤスミン・アハマド「タレンタイム」
「タレンタイム」
同じ高校に通う生徒の恋や、家族との関係、友情などをマレーシアの文化や宗教の違いなどの社会的背景の中でみずみずしく描いていました。
マレーシア社会は貧富の差もかなりあるようです。女子生徒の住む家はジム・トンプソンを思わせるとても素敵なインテリアでとても裕福。方や男子生徒の家はとても質素な感じで、お母さんはヒステリックに大声をあげていました。民族間の問題も横たわる、そんなマレーシア社会の現実の一端を知ることができました。
しかしこの映画の大きな魅力は音楽です。高校の音楽コンテスト「タレンタイン」に出場する生徒たちが主人公の物語なので、音楽がとにかく素晴らしかった。家族を想い、恋する人を想って歌う高校生のパフォーマンスは本当に感動的でした。

マレーシア映画は初めてでしたがトラン・アン・ユンの「青いパパイヤの香り」を見たときと同じような新鮮な驚き。多民族国家のマレーシアらしくいろんな表情を見せています。

ヤスミン・アハマド監督の作品は今年の春にシネラのマレーシア映画の特集で上映され、映画を見たわけではないのにこの監督の名前だけがなぜか心に残っていました。7月に脳出血で急逝されたのでこの作品が遺作になってしまいました。
次回作は日本で撮影する予定だったと聞きます。
こんな素晴らしい才能を持った監督が51歳にして亡くなるなんて本当に惜しいことです。

(2009/9/27 エルガーラホール)

追記
ヤスミン・アハマドは「タレンタイム」の後に「チョコレート」という短編を撮っています。
これが正真正銘の最後の仕事で以下のサイトで観ることができます。
http://15malaysia.com/films/chocolate/

以下のブログではヤスミン監督のCMが見れます。とても素敵な作品です。
http://umikarahajimaru.at.webry.info/200907/article_24.html

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この記事へのコメント
先日はお忙しいのにありがとうございました。

この作品は秀作のようですね。
監督さん、亡くなられたそうですが、
年齢も名前もよく似ているので、
なんとなく他人のような気がしません・・・(^^ゞ
Posted by ヤスフミ at 2009年09月29日 17:05
ヤスフミさん
こちらこそお土産まで頂きどうもありがとうございました。
ほんとうにカタカナで書くとそっくりですね。

ブログに付け加えましたが、最後の短編とCM作品がYOU TUBEで見れますよ。雰囲気だけでもどうぞ。

今日シエマで「人生に乾杯」を見てきましたが、夕べ遅かったせいで前半居眠りばかりしてしまいました。
Posted by capracapra at 2009年09月29日 20:33
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