「再会の街で」「タロットカード殺人事件」


「再会の街で」
アダム・サンドラーが立ち乗りスクーターに乗りニューヨークの街を駆け抜けていくシーン、そのバックに流れるゆるやかなロックミュージック、とても素敵なオープニング、またたくまにこの映画にひきつけられていました。
一度に妻と子供を亡くしたサンドラーは心を病み、口を閉ざし、ヘッドフォンから流れる音楽の世界に逃避している。歯科医のドン・チードルは偶然見かけた大学のルームメイトサンドラーに声をかける。
9.11後のニューヨーク、サンドラーはその被害者の家族であり、政府は経済的補償は行ったけれども心の問題までには踏み込めていない現実が浮き彫りになります。
サンドラーはチードルと出会ったことにより、またチードルもサンドラーと出会ったことにより、自分の生活、生き方にもう一度きちんと向き合うようになっていきます。
バックに流れるブルース・スプリングスティーンやサンドラーがiPodで聞くザ・フーやボブ・シーガーなどの70年代80年代ロックがご機嫌で、映画に花を添えています。
「卒業」にサイモンとガーファンクルが欠かせないように、この映画にスプリングスティーンがぴたりとはまりました。
余談ですがスプリングスティーンの曲はスパイク・リーの「25時」にも使われていました。「THE RISING」という9.11の後に出されたアルバムからのものでしたが、出身はニュージャージーのスプリングスティーンの歌がニューヨークの街に不思議に溶け込みます。
人は愛する者を失ったときどうやって再生していくのかという普遍的なテーマも感じられる映画ですが、久しぶりに再会した同級生の物語であり、会話が途絶えがちな夫婦の話でもあり、かなり共感してしまいました。
アダム・サンドラーがこんな演技ができるのにもちょっと驚きました。ドン・チードルはすっかり一流になってきた感じです。
精神科医のリブ・タイラーが少し老けたけど落ち着いた女性になり、出番は少ないのに存在感が大きかったのがドナルド・サザーランド、「24」のキーファー・サザーランドはますますお父さんに似てきてるなと思いました。
(2008/2/11 イオンシネマ佐賀大和にて)
「タロットカード殺人事件」
前作「マッチポイント」に引き続きロンドンを舞台にした殺人事件のお話。
ウディ・アレンはスカーレット・ヨハンセンがよほどお気に召しているのか、とても楽しそうに殺人事件を解決していきます。
最初は気乗りしなかったのにミイラ取りがミイラになってしまう様子がとてもおかしくて、これはまるで落語で小噺を聞いているような感覚です。神経質そうなアレンが年のせいか本当にいいおじいちゃん、になってました。
「スコルピオンの恋まじない」に通じる面白さおかしさです。
ヒュー・ジャックマンはいやな役をしてもあのさらっとしたハンサムが得をしてちっともいやなヤツに見えません。
往年のハリウッド映画を思わせるようなおおらかさが好き。
シアター・シエマでおいしいお茶などを飲みながら鑑賞するのにぴったりの映画でした。
私はベーグルサンドをいただきながら見ました。
(2008/2/10 シアター・シエマ)
この記事へのコメント
昨日、BSでやっていたのを見ました。丁度、ニューヨーク滞在中に上映していたのですが、見る機会なくやっと見れました。アダムサンドラーは、コメディは勿論、とても面白いし、駄目男役は、味がありますが、こういうシリアスな役も上手くなりましたね。ただ、裁判官役のドナルドサザーランドが主役を食ったような存在感でしたね。すごい名優、名演。大人のいい映画ですね。
Posted by hannah at 2011年05月23日 22:09
hannahさん
コメントありがとうございます。
ニューヨークにご滞在なんて素敵ですね。
私もBSでやっているな、とちょっと観たりしました。
わりとひそやかに上映されていたような記憶がありますが、いい映画でしたね。
コメントありがとうございます。
ニューヨークにご滞在なんて素敵ですね。
私もBSでやっているな、とちょっと観たりしました。
わりとひそやかに上映されていたような記憶がありますが、いい映画でしたね。
Posted by capara at 2011年05月24日 20:53