「キングダム 見えざる敵」「不完全なふたり」

「キングダム 見えざる敵」
サウジアラビアの石油会社の外国人居住区で自爆テロ事件が発生、その捜査に向かったFBI捜査官も死亡、FBI情報分析官アダム(ジェイミー・フォックス)は法医学調査官のジャネット(ジェニファー・ガーナー)と爆発物専門家のグラント(クリス・クーパー)らと現地に向かい、サウジアラビア国家警察官のアル(アシュラフ・バルフム)と捜査を進めます。

テロの恐ろしさを見せられました。アメリカが正義だというつくり方をしていないところに好感が持てます。サウジアラビア国内で、テロの犠牲になり、そのテロと戦っている人たちがいる。アメリカ人捜査官との友情も生まれる。そんな友情も市井の人たちの暮らしも一瞬のうちに奪ってしまうテロリズムの恐怖と狂気。

終盤の銃撃戦は本当に手に汗握るすさまじさ、ハリウッド映画らしい見せ場たっぷりです。しかしラストにささやかれる台詞によりただの娯楽作と一線を画しました。脚本の上手さですね。憎しみがテロを生み、その連鎖は止むことを知らない。まだまだ続くであろうテロの時代を思わせます。

(2007/10/15 イオンシネマ)


「不完全なふたり」
「パリ・ジュテーム」でジュリエット・ビノシュが出るエピソードを監督していた諏訪敦彦監督、今回もパリが舞台でフランス人俳優によるフランス映画らしい雰囲気をたたえた作品。

オゾンのミューズ、ヴェレリア・ブルーニ=テデスキはこんな役は実に上手に演じます。女性の美しさからいやらしさまでその表情や仕草、体型のすみずみにまで感情が宿っているように見えます。
離婚しようとしてなかなか気持ちに踏ん切りがつかない2人のけんかとも愚痴ともつかない会話がホテルの部屋に舞っているよう。
「ロダン美術館」を訪れ男女が抱擁する彫刻に見入るテデスキ、ラストの駅のシーンなどにしっとりとした大人の映画の味わいはありました。

「プロバンスの贈り物」と「恋と娘とスフレと私」と悩んで結局この作品。こちらの2本のほうが楽しかったかもしれない。

(2007/10/17 KBCシネマ)



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